レスキュー327
「マル被、発見!呼吸、意識ともにありません!!」
火曜日の「浜」に緊張が走った。
最新アウトレット式巨大店舗内で、上客の一人が行方不明になったのだ。
懸命な捜索の上、発見されたマル被は最悪の状態で発見された。
「よ〜うし、人工呼吸準備!!」
全員「りょ、了解!!」
レスキュー327部隊がマル被を救うため一丸となった。
腹式隊長:I〇隊員は、満遍なくクチビルを湿らすと、ゆっくりと人工呼吸「マウスつーマウス」に入った。
I〇隊員の口から、「酸素」を送る。
胸が膨らみ、「酸素」が送られているのは確認できる。
だが「マル被」はグッタリとしたまま動かず。
「た、たいちょう〜、呼吸、もどりませ〜ん!」
「次!シンマだっ!」 (注:シンマ=しんぞーマッサージの意)
シンマに名乗り出たのはF〇隊員だ。
両手をマル被の胸部に当て「いっち、にっ、さんっ、しっ!」
それを5SET繰り返す。
耳を向け、呼吸の確認。
「依然として、呼吸ありませんっ!!」
蘇生を試みる側も、大変な労力を使う作業だ。
「気道確保」に従事した伊〇隊員は当時をこう振り返る。
「いや〜、あの時は必死でしたね!なんか、救おうとしたんですけど、みたいな〜!」
確かに、「念入りな」人工呼吸ではあった。
やがて、周囲を取り囲んでいた女性の「野次馬」がかえると「シンマ」は
M井隊員に代わる。
シンマを念入りにする。
なんだか、息が臭く、粗かったような…
だが、「浜」を誇る、最強のレスキューをもってしても、マル被は蘇生することはなく、「微笑んだまま」他界した。
あのとき、傍観していた「だけ」の久米君が少しでも手を差し伸べていれば、助かったのかもしれない。
彼はその事を後悔し、「次の機会があれば、是非頑張りたい」と意欲を見せた。
*1:テラスポ となりの事件簿 から抜粋