あるヒロシの追憶

土曜日に発生した2名の「KSGD」

最終12Rで「なんで高配当のハズレにしちまうのかな〜?」とうなだれた。


つまり、翌日曜日は「NOマネー」の作戦待機不参加という、なんともやるせない日曜が確定した瞬間でもあった。



そんな、朝。

AM7:30、TELが俺たちの「KSG道」っぷりに、更に磨きをかけるべく方向性を導き出した、否、出させたのだ。


「夕方まで仕事だで、ナイターだな、勝負は。」


TELの向こうで、チンゲのような髪質を持った中年男性が笑った。


オレは、ガッツリ自宅待機となった。


「夕方か、なげえな。いや、まだ望みはある。」


そう、おれには今までともに苦楽した戦友の存在がある。


だが、「玉無し」で戦いに行こうなど、上官である俺様が誘うべきではない。


あいつら「俺の意思」ぐらい、わかっているはずだ。



期待通り、定刻の9:00、無電が入った。

「おはようっす!オレ今日バイトだもんで何するんす?行くんす?」


オレが「待機行動だわ」と答えると、奴は舌打ちし

「いや〜、としにいだったら持っとるで電話してくださいよ!あのひと、仕事行ってからだな、とか言ってましたよ!りえにプレゼント買ったとか言って、どんどんホソル気ですよ!腰がいてえとか抜かしてなにやってるんすかねえ!しっかり取ってやってくださいよ!ホントムカつくわ〜、絶対、兄ちゃんが押せば行きますから、ぼくの分も残しておいてくださいよ!頼んますよ!!」

そう伝えるとGRの電話が切れた。

「う〜ん、かけるべきか、やめとくべきか…」

今月も始まったばっかりから「死亡」でしょ、今月は釣りもあるし…かっこつけてもゼロじゃ勝負もでけへんしな…かといって、万が一、トシニイに「断られたら」ぶち殺したくなるしな〜…



そして、オレはこう判断した。


「腰抜けの出っ歯野郎に頭下げて玉もろうても、そんなん、あたりゃせんがな!」

いやむしろ、昨日培った「ひろし基金」に失礼ではないか。


それに「げすの一分」として、勢いだけは殺しとうない。



心のどこかで「としにい、自首するなら今だぞ、今度のGRは怖いぞ」とどこかでまだ、トシニイを助けようとするオレは、本当にお人よしか。


14:00から缶BEERを6本ほど言わしたところで、ついに「待機行動」が解かれた。


若松9Rからだったのだが、10、11Rとおれたちは連勝した。

カワカミ氏は2連単ブチ込み系、オレは3連単にてそこそこに。


たった1時間でその持ち金を6倍にまで広げた俺たち。



「傾くなら、かぶきとおせ」とばかりに突っ込んだ12Rで悲劇は起きた。

「カズヤ」が長野にけん制されつつの「INがら空き」


そこに突っ込んできた6号艇 大神…


しまいには鳥飼までもが転覆し、また俺たちの6月が去って行った。



帰り道、「それでも、元金はあるし、おっさんも¥3000くらいあるだら?ま〜、楽しかったしいいら?」


明るい、さすがカワカミサン。

そしてこう続けた「ま、軽く浜で一杯やって帰るか、明日から桐生もやるし、あ、蒲郡もやっとるだら」


「これからは、仕事終わり〜の、ナイター、流行りそうだら」

彼のどこから来るのかわからない「脳天気さ」に、結果楽しい一日になったことは紛れもない事実だろう。


そして先ほどGRからTELが入った。


「で?どうだったんすか!? え?とった!!? あざ=−−−っす、はァ?で全部入れた!?おぬしらはバカか!?」


 おれとカワカミサンも相当だが、この男こそ真の「KSGD」だろう。



感のいい方なら、もうお分かりだろう。


KSGD…  それは…


クサレ外道
といふ。


GEST:カワカミサン、GR   AD:トシニイ、かずにい 

主演監督:オレ



でした。